野球部が43年ぶり私学撃破 令和でも昭和!甲府昭和に吹いた大逆転の風

<高校野球山梨大会:甲府昭和4-3日大明誠>◇7日◇1回戦◇山日YBS球場

平成生まれの球児が、令和の夏を昭和色に染めた。甲府昭和(山梨)の4番でエース渡辺翔太郎投手(3年)の声に若さが弾む。

「昭和らしいがむしゃらな気持ちでいきました」

相手は私学の強豪日大明誠。失策絡みで3点を失い、敗戦濃厚だった8回、1点を返し1死満塁。渡辺の強烈な打球は三塁正面へ。「打った瞬間、絶対に一塁はセーフになろう」。がむしゃらに走った後ろでドラマは起きた。日大明誠の三塁が本塁悪送球。ボールが転々とする間に二塁から同点の走者が生還。併殺で好機をつぶしたかと思われた瞬間に昭和の風が吹いた。さらにスクイズで逆転。試合後の戸栗君行監督(27)も「しびれました」と、目を見張る出来事だった。

自分に完投を課したマウンドでは11安打されながら、6回以降は追加点を与えなかったことが大逆転につながった。

ハキハキと答える渡辺の言葉は正直だ。そもそも平成生まれの平成育ち。昭和を知らないはず。「時代は令和ですけど、平成じゃなくて、やっぱり昭和なんですよ。何を言っているか自分でも意味分からないんですけど…。昨日、みんなとそんな話をしてました。昭和の校風で育ってきましたから」。細かいことは気にしない。甲府昭和が、昭和気質の必死さで勝ったことは間違いない。【日刊スポーツ】

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